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Dr.HAGIO's 歯科ブログ

大切な入れ歯を長持ちさせる、取り扱いと注意点

【監修・執筆】 萩尾 信輔
【監修・執筆】 萩尾 信輔 都立大学HAGIOデンタルクリニック院長・歯科医師

入れ歯は毎日お口の中に入れて使うものです。
材質はレジンといわれる樹脂とコバルトもしくはチタンといった金属が使用されてます。

中でも、入れ歯用のレジンは吸水性もある為、毎日のお手入れが重要になってきます。

また、入れ歯は、同じ歯科医師と同じ技工士が同じように作成しても全く同じものは出来上がりません。
ですので、入れ歯というのは少し大げさかもしれませんが、世界に一つだけの完全にオーダーメイドな物です。

特に金属を使用した精度の高い義歯の場合には、精密機械のような物なので、不適切に扱うことで、不具合が生じる場合もありますので、取り扱いとお手入れには十分注意して頂いて、長く使って頂きたい、という思いが作製した歯科医師と技工士にはあります。

そこで、今回は、現在使用されている入れ歯をより長持ちさせるための取り扱い方と注意点についてお話させて頂きます。

 


入れ歯の取り扱い方法

入れ歯は丁寧に扱う

ひとくちに入れ歯といっても、総入れ歯から部分入れ歯、金属床、ノンクラスプデンチャーと様々な種類があります。
どれもご自身のお口に合わせて作られています。

部分入れ歯は、金具の変形などがあるとすぐに使えなくなってしまいますのでご注意ください。

入れ歯はしっかりお口の中におさめて、適合したのを確認してから使用する

慣れているからといって、口の中で舌を使っておさめようとして、しっかり適合しない状態で噛んでしまうと入れ歯の破折や変形につながります。

ご自宅や外出先で入れ歯を外した際には、必ず専用のケースに保管する

紛失しないためにも入れ歯を外した際には、専用のケースに入れましょう。
また、ティッシュ等にくるんで置いておくと、ご自身やご家族が間違って捨ててしまう事もありますのでご注意下さい。

食べ物の種類や大きさに注意する

精度の高い入れ歯は、お口の中に良く馴染みますし、良く噛めます。
入れ歯をつけている感じがしないとおっしゃる方もいらっしゃいます。

これは入れ歯を作製した私達にとってはとても嬉しい事なのですが、やはり何も気にせずに無理に使用していると、入れ歯の変形や破折を引き起こします。

あまり大きい食べ物は無理に召し上がらずに、可能であれば一口大にして召し上がって下さい。

食べ物の種類について

硬くて大きい食べ物はもちろんですが、フランスパンなどの噛みごたえのあるものや弾力性のあるお肉なども十分注意して下さい。
入れ歯がたわんで、変形や破折の原因になります。

お餅などの粘着性の物は入れ歯が持ち上がってしまい、外れた状態で入れ歯ごと噛んでしまうと、入れ歯が壊れてしまいますのでご注意下さい。


入れ歯は清潔に保つ

入れ歯は食器と同じです。
入れ歯は常にお口の中に入っているため、汚れていると義歯性の口内炎や口臭の原因、また増殖した細菌が気管に入ると誤嚥性肺炎を引き起こし易くなります。

高齢になると少しずつ嚥下能力と言われる、物を飲み込む力が弱くなり、その影響で気管に食べ物が入り肺炎が起きます、これを誤嚥性肺炎と呼びます。

入れ歯にも歯と同様に、デンチャープラークと呼ばれる、歯垢や歯石がつきます。
入れ歯にできた歯石は簡単には取れませんので、入れ歯に歯石がついている場合には、歯科医院にて専用の器具で取り除き、磨いてもらいましょう。

また、部分入れ歯の場合には、入れ歯を支えている歯が虫歯や歯周病になってしまうと、入れ歯が使えなくなってしまう可能性がありますので、入れ歯を清潔に保ち、長持ちさせましょう。

ご高齢の方の介護をされている場合には、大変だとは思いますが、毎食後の入れ歯の清掃がお口の健康から身体、心の健康に繋がりますので、是非、心がけて頂ければと思います。


入れ歯のお手入れの方法

必ず毎食後、入れ歯を清掃して下さい。
先程お話させて頂きましたが、入れ歯は食器と同じですので、食器と同様、毎食後清掃します。

まずは流水で洗い流し、次に入れ歯用歯磨き粉や中性洗剤を用いて、義歯ブラシで油汚れや大きな汚れを落とします。
就寝前には、ぬるま湯に入れ歯洗浄剤を入れ、5分から一晩を目安に洗浄剤に浸漬します。

入れ歯洗浄剤を使うことにより、ブラシ洗いだけでは取り除きにくいカンジダ菌や真菌、臭いの原因となる菌を除菌する事ができます。
洗浄剤による漬け置き洗いは、一日一回が目安です。


洗い方の注意点

歯磨き粉は使用しない

歯磨き粉の中の研磨剤により入れ歯に傷がつき、そこに細菌が付着、繁殖します。
それにより、顎の粘膜に炎症を起こしたり、虫歯や歯周病の原因になりますので、歯磨き粉は使わないようにしましょう。

入れ歯専用の歯ブラシを使う

入れ歯専用の義歯ブラシはコシがあり、しっかりしていますので、入れ歯の汚れやヌメりを取り除くのに適しています。

通常の歯ブラシですと柔らかく、コシがないため、すぐに毛が開き使えなくなってしまいます。
また、部分入れ歯のバネを磨けるような作りにもなっており、通常の歯ブラシよりも長持ちしますのでお勧めです。

熱湯での洗浄や煮沸消毒はしない

入れ歯はプラスチックやシリコンなどの樹脂でできているため熱に対する耐久性が弱く、60度以上のお湯で変色や変形をしてしまいます。



こちらは、実際に誤って煮沸消毒を行ってしまった入れ歯の写真になります。
元々ピンク色だった歯茎の部分は白くなり、縁の部分は小さい凹凸が多数見られます。

また、一部は焼け焦げてしまい、黒く変色、変形が見られます。
このように、一度変形してしまうと、元の形に戻すことが難しくなり、使用出来なくなりますのでご注意下さい。

一般家庭用漂白剤は使用しない

変色や変形を起こしてしまう可能性がありますので、専用の洗浄剤をお勧めします。

乾燥させない

乾燥をさせると、変形や変色を起こし入れ歯が合わなくなる可能性があります。

また、乾燥はひび割れの原因にもなりますので、入れ歯を口から外している時は乾燥させないようにしましょう。
ジップロックなどに少し水を入れて、その中に入れ歯を入れておくと水もこぼれにくく、ティッシュなどに包むよりも誤って捨ててしまいにくいと思います。

長時間外す時や就寝時には水に浸すか洗浄剤に浸すようにしましょう。


まとめ

お口の中に馴染んだ入れ歯は、形や噛み合わせなどを似せて作製しても全く同じようにお口の中に馴染むとは限りませんので、大切に丁寧に扱って下さい。

そして、たとえ残ってる歯が少ない場合や全ての歯がなくても、時々は入れ歯の検診のために歯医者さんに通って頂く事をお勧めします。
部分入れ歯の場合は特に、残っている歯が入れ歯の安定には不可欠ですので、三ヶ月に1回は入れ歯と残っている歯を綺麗にしてもらいましょう。

入れ歯が汚れていると、口腔内に細菌が溜まるだけでなく、お食事の際に食べ物と一緒に細菌が体の中に入ることになり、体調不良や肺炎等の原因にもなり得ます。
美味しく食事ができ、健康な生活を送る為にも、入れ歯のお手入れを心がけて頂ければと思います。

最後まで、お読み頂きありがとうございます。


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