都立大学萩尾歯科クリニック
                   
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Dr.HAGIO's 歯科ブログ

私が無痛歯科治療を行うようになったきっかけ

【監修・執筆】 萩尾 信輔
【監修・執筆】 萩尾 信輔 都立大学HAGIOデンタルクリニック院長・歯科医師

このブログ記事を読んで頂いている方の中には、初めて私のブログ記事を目にしている方もいらっしゃると思います。
また、その中には、歯科治療が怖く、歯科に通えない方も多くいらっしゃると思います。

そこで、今回は、まず私の自己紹介をさせて頂きたいと思います。
改めまして、都立大学HAGIOデンタルクリニック、院長の萩尾信輔と申します。

今回から数回に分けて、歯科恐怖症やそのような方への治療方法、無痛歯科治療の流れについてお話させて頂きたいと思います。

はじめに

歯科恐怖症のお話をする前に、今回は、私が歯科恐怖症の方の治療を行うようになった経緯について、まずはお話させて頂きます。

現在、当院には多くの歯科恐怖症の患者様が沖縄などの遠方や、イギリスなどの海外からも来院頂いていますが、最初から私が歯科恐怖症の方の治療を行えていたわけではありません。

私が、歯科医師として働き始めて、基本的な事が出来るようになったおおよそ歯科医師6年目、私の勤務先の移動が、私の歯科医師としての人生を大きく変えることになりました。


無痛歯科治療との出会い

以前、勤務していた歯科医院でも、歯医者さんが苦手な方はいらっしゃいましたが、治療が出来ないほどではありませんでした。

しかし、新しい勤務先では、一般開業医では対応が難しい歯科恐怖症の方が多数いらっしゃいました。

重症度の高い方は、待合室で待つ事も出来ません、匂いや他の方が治療している音にも恐怖を感じます。
また、診療室には、なるべく器具が見えない状態でないと入室出来ません。

このような事を経験して初めて、歯科恐怖症の方の治療の難しさや、その方達の精神的な苦痛を深く知ることができました。
この経験は、今の私の診療にも大きく影響しています。

歯科恐怖症の治療を通して私が感じたこと

歯科恐怖症や嘔吐反射(異常絞扼反射)がある方達は、元々健康面に問題を抱えている方でなくても、歯科への受診が困難なため、お口の中が虫歯でボロボロになってしまう傾向にあります。

嘔吐反射は、歯科恐怖症と少し異なる部分もありますので、今後のブログにて詳しくお話させて頂きます。

さらに、虫歯になってしまった歯は、歯の表面が凸凹になってしまいますので、汚れも溜まりやすく、歯周病や歯列不正の誘因にもなってしまいます。
そのような方の治療に多く携わるようになるにつれて、今まで歯科に通うことが出来なかった人達の力になれるようになりたいと思い始めました。

静脈内鎮静法を用いた無痛歯科治療は、特に歯科恐怖症や嘔吐反射がある場合には、通常の治療とは似て非なるもので、慣れていないとより時間がかかり、精度の高い治療も難しくなります。
精度の低い治療では、再治療の可能性も高くなり、せっかく頑張って治療した歯もすぐに悪くなってしまいます。


初めての無痛歯科治療と失敗の経験

私が初めて静脈内鎮静法を用いて根管治療を行った方の歯が膿んできて、再治療をすることになったお話をさせて頂きます。

初めての静脈内鎮静法下での治療はとても難しく、治療後には私自身が、頭痛がし、とても大変でしたので今でも鮮明に覚えています。
当時は一生懸命に治療をし、問題ないと思っていましたが、実際に歯の中を見てみると、その時の治療が十分でなかったことに気付きました。

この方は、私が前の歯科医院を退職し、開業した今でも静脈内鎮静法を用いたメンテナンスに通ってくれています。

当院に来院される方の中には、今までも無痛点滴治療にて治療をされていた経験がある方も多くいらっしゃいますが、今まで治療した歯のほとんどが再治療が必要であったり、数ヶ月前に治療した歯に虫歯が残っていたりするケースが多く見受けられます。

そのような経験から、静脈内鎮静法を用いた無痛歯科治療でも、やり直しの少ない精度の高い治療を提供でいるようになりたいと思うようになり、研鑽を積んでいくことになります。


治療方法だけでなく信頼関係構築も重要

治療を通して十分なコミュニケーションが取れ、安心して治療を受けてもらうことにより、精神的な苦痛はとても和らぎます。

また、次回以降にお話しますが、初回の治療を静脈内鎮静法を用いた無痛点滴麻酔で行い、痛みや精神的な苦痛を感じずに治療を終えることにより、安心して次の治療を受けることが出来るようになります。

このようにして、歯科医院の雰囲気や担当歯科医師に慣れてくると、徐々に歯科に対する恐怖心が少なくなり、静脈内鎮静法を用いた無痛点滴麻酔をしなくても簡単な治療やクリーニングであれば出来るようになる方も当院には多くいらっしゃいます。

ですので、安心して治療が受けられる環境があれば、歯科恐怖症の方も必ず通うことが出来るようになりますし、歯科恐怖症のきっかけを作ることもなくなります。


まとめ

今回は、歯科恐怖症について詳しくお話する前に、私が歯科恐怖症の方への無痛歯科治療を行うことになったルーツを書かせて頂きました。
これは私の今の歯科治療の原点でもあります。

歯科恐怖症の方の治療では、歯科医院の雰囲気や担当の歯科医師に慣れてもらうことも重要になってきます。
今後の歯科恐怖症についてのお話をする上でも、私のバックボーンを知って頂くことが重要だと思い書かせて頂きました。

次回以降は、歯科恐怖症や嘔吐反射、無痛歯科治療の治療手順等を何回かに分けてお話させて頂きたいと思います。

最後まで、お読み頂きありがとうございました。


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