都立大学萩尾歯科クリニック
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Dr.HAGIO's 歯科ブログ

睡眠時無呼吸になりやすい人の特徴と検査方法

【監修・執筆】 萩尾 信輔
【監修・執筆】 萩尾 信輔 都立大学HAGIOデンタルクリニック院長・歯科医師

今回まで3回に渡り、いびきや睡眠時無呼吸症候群について、またその治療の必要性についてお話してきました。

今回は、自覚症状がなく、気付かずに放置してしまうと様々な合併症の発症や突然死にまでつながる恐れのある、睡眠時無呼吸の方の特徴についてお話していきたいと思います。

このブログを読んで頂き、ご自身、ないしは周りの方に睡眠時無呼吸が疑われる場合には、まずは耳鼻科や歯科の専門機関に一度ご相談頂けると、睡眠時無呼吸の早期発見につながると思います。

また、睡眠時無呼吸症候群の実際の検査方法についてもお話したいと思います。

 

 


成人で睡眠時無呼吸になりやすい人の特徴

BMIの数値が35より大きい方

BMI=体重÷身長の二乗で計算出来る数値で、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数になります。

身長160cmであれば体重が約90kg以上の方です。


以下の全身疾患がある方

高血圧、冠動脈疾患、心房細動、脳卒中、2型糖尿病は、睡眠時無呼吸がある方の合併症として起こりやすいため、注意が必要です。


成人で睡眠時無呼吸の方に見られる一般症状

こちらは『睡眠時無呼吸症候群は早期発見、早期治療が鍵』の中でもお話しましたが、以下の症状がある場合には、睡眠時無呼吸の可能性が高くなります。


日中に見られる症状

・起床時の疲れや倦怠感
・熟睡感の欠如
・日中運転中の眠気
・起床時の頭痛
・逆流性食道炎
・顎や顔面の痛み
・急激な体重増加


夜間に見られる症状

・いびき
・睡眠中の無呼吸の指摘
・夜間の頻尿
・窒息感による起床


外見的な特徴

以下のような特徴がある場合は睡眠時無呼吸になりやすくなります。
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お口の中の状況

睡眠時無呼吸がある方は、舌の肥大、舌圧痕、伵耗などが見られる場合もあります。

また、睡眠時無呼吸は気道の閉塞により起こりますので、気道が閉塞しやすいかの判断をするために、口蓋垂と口蓋扁桃の見え方が非常に参考になります。
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小児で睡眠時無呼吸になりやすい子の特徴

お子様の場合には、ご自身での判断は難しくなりますので、ご家族の方が特徴や症状に気付き専門機関に受診する場合が多いですので、特徴をお話させて頂きます。


日中に見られる症状

・多動性、衝動性を伴う行動特徴(ADHD)
・寝起きが悪い
・学習障害が見られる
・記憶力が低下する
・成長ホルモン減少による成長障害が見られる
・口呼吸がある
・長い時間昼寝をする
・学校で頻繁に居眠りをする


夜間に見られる症状

・いびき
・睡眠中に呼吸が困難になる
・荒い鼻息をする
・眠りが浅い、夜間に目覚める
・寝相が悪い
・息を吸う時に胸の一部が陥没する
・夜尿がある


お口の中の状況

歯列の異常や口蓋扁桃の肥大があると、夜間にいびきや閉塞性無呼吸になりやすくなります。


睡眠時無呼吸症候群の検査方法

睡眠時無呼吸の検査方法には、睡眠ポリグラフ検査と検査施設外睡眠検査があります。


睡眠ポリグラフ検査

睡眠ポリグラフ検査は、睡眠状態、睡眠時呼吸障害の有無、障害の波の有無等を詳しく調べるために用います。

検査項目には脳波、眼球運動、筋電図、鼻または口の呼吸、胸腹部の呼吸努力、経皮的動脈血酸素飽和度、心電図、下肢の異常行動等があり、低呼吸ならびに無呼吸の有無、閉塞性睡眠時無呼吸の重症度、脈拍の変動、睡眠時の体位との関係、いびきの有無、中枢性睡眠時無呼吸の有無等を同時に解析することが可能です。

測定は基本的に検査機器を有する医科において1泊~数泊入院することで行こなわれます。
(現在では在宅で検査ができる機種もあります)


検査施設外睡眠検査

検査施設外睡眠検査は、睡眠中の呼吸状態とOSAの重症度を把握するために用います。
検査項目は一般的に、鼻の呼吸、いびき、SpO2があり、これらの項目に加え、呼吸努力、体位、体動を測定できる機種もあります。


睡眠ポリグラフ検査と検査施設外睡眠検査の違い

睡眠ポリグラフ検査と検査施設外睡眠検査の最大の相違点は脳波の測定有無です。

睡眠ポリグラフ検査は脳波を測定するので、睡眠状態や睡眠段階を正確に把握することができます。

脳波の測定の有無は閉塞性睡眠時無呼吸症候群の重症度を決定する上で重要です。

検査施設外睡眠検査は、脳波が測定できないため、睡眠ポリグラフ検査よりも低呼吸を過小評価してしまう場合があります。


まとめ

今回は、以前のブログでも簡単に触れていた、睡眠時無呼吸症候群になりやすい人の特徴や症状、検査方法の種類とその違いをより詳しくお話させて頂きました。

睡眠時無呼吸症候群は、年齢、性別を問わず合併症としてさざまな病気を引き起こし、非常に怖い病気にも関わらず、専門機関に相談される割合はわずか6%です。

睡眠時無呼吸症候群の病気としての認識やその影響について、少しでも多くの方や歯科医療従事者に認知して頂けると幸いです。

最後まで、読んで頂きありがとうございます。


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