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Dr.HAGIO's 歯科ブログ

睡眠時無呼吸症候群の治療方法

【監修・執筆】 萩尾 信輔
【監修・執筆】 萩尾 信輔 都立大学HAGIOデンタルクリニック院長・歯科医師

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている時に舌が後退、沈下、気道の周りの脂肪や扁桃腺の肥大により、気道が狭くなり、空気が肺に届かなくなることで、呼吸障害及び睡眠障害を引き起こす状態です。

ですので、睡眠時無呼吸症候群の治療は、寝ている間の空気の通り道である気道を確保するための治療となります。

 

 



睡眠時無呼吸の治療方法

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には、以下の治療方法の中から、医科の先生と相談しながら治療方法を決めていきます。


非侵襲的陽圧治療     

・持続抑圧呼吸
・二層式気道陽圧
・サーボ制御圧感知型人工呼吸器


口腔内装置を用いた治療方法

・舌牽引装置
・下顎前方牽引装置

外科手術による治療

・口蓋垂軟口蓋咽頭形成術
・オトガイ舌筋前方移動術
・扁桃摘出術/咽頭扁桃アデノイド切除術
・鼻中隔矯正術
・上下顎骨前方移動術
・舌下神経刺激療法


その他の治療方法

・睡眠衛生指導
・減量指導
・ホルモン補充療法
・生活習慣の是正指導
・運動指導

成人の方の場合には、医科で行われている非侵襲的陽圧治療、一般的にはCPAP治療として知られているものか、歯科で行う下顎前方牽引装置を用いる治療方法が多いです。

睡眠時呼吸症候群が、中等度~重度の場合にはCPAP治療が、軽度~中等度では、歯科での下顎前方牽引装置を用いる治療方法が適用される場合が多いです。



持続陽圧呼吸(CPAP)治療

この治療方法は、睡眠時呼吸症候群が、中等度~重度の場合に用いられる方法です。

鼻マスクや口マスク等を介して、上気道に空気を送り込み、寝ている間に空気の力で、気道を広く保ちます。

CPAPは睡眠時無呼吸症候群に対する治療としてのゴールドスタンダードであり、治療効果も高いです。

ただし、マスク装着の違和感や、空気が持続的に送り込まれる為、使用のためのハードルが高いのが難点で、また、空気を送り込む装置の音や装置自体が大きい為、持ち運びの点でもデメリットがあります。

 



下顎前方牽引装置治療


こちらの治療方法は、寝ている間、下の顎を前に突き出した状態で保持することにより、気道が狭くなることを防ぐことを目的に使用します。

こちらは、上記の持続陽圧呼吸(CPAP)治療に比べると全体的な異物感は少ないですが、お口の中に大きなマウスピースを入れますので、異物感は十分にあります。

 


持続陽圧呼吸(CPAP)治療と下顎前方牽引装置治療の併用治療


持続陽圧呼吸(CPAP)治療と下顎前方牽引装置治療を併用することで、CPAPの空気圧を下げて違和感を減らすことが出来たり、外出時には持ち運びが容易な下顎前方牽引装置のみを使ったりと、それぞれの利点を活かした治療方法で近年注目されています。


外科手術


小児などで、扁桃肥大や咽頭扁桃の増殖が気道を狭くしている場合には、外科手術にて気道の狭窄を除去する治療法が行われます。



睡眠衛生指導、生活習慣の是正指導

眠っている間の姿勢によって、無呼吸の程度が増減することが報告されており、睡眠時には横向きを推奨したり、規則正しい睡眠習慣、時間の確保などについて指導します。

また、飲酒や喫煙、運動不足などの生活習慣を改善することにより、睡眠j無呼吸症候群のリスクを低く出来るように指導します。


まとめ

今回は、睡眠時無呼吸症候群の治療方法についてお話しました。

以前のブログでもお話しましたが、睡眠時無呼吸症候群は痛みなどの症状が出ないため、自分自身では自覚しづらい病気です。

しかし、様々な合併症を引き起こす非常に怖い病気です。
根本的な治療のためには、様々な角度からの診査、診断、治療が必要になります。

持続陽圧呼吸(CPAP)治療や下顎前方牽引装置治療は、対症療法にはなりますが、治療効果も高く有効な治療方法です。

また、睡眠衛生指導や生活習慣の改善により、根本的にも改善させることが可能な場合も多くありますので、睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合には、是非歯科や医科の専門医療機関にご相談下さい。

今まで、5回にわたり睡眠時無呼吸症候群についてお話させて頂きました。
今後も、睡眠時無呼吸症候群についてより多くの方が認知出来るよう取り組んでいきたいと思います。

全5回にわたるブログ記事は、宮地舞先生の『歯科医師のための睡眠時無呼吸治療』を参考に書かせて頂きました、より詳しく睡眠時無呼吸症候群について知りたい方は、是非一度お手に取って頂ければと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。


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