都立大学萩尾歯科クリニック
                   
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Dr.HAGIO's 歯科ブログ

歯医者が考える理想的クリーニングと着色の原因

【監修・執筆】 萩尾 信輔
【監修・執筆】 萩尾 信輔 都立大学HAGIOデンタルクリニック院長・歯科医師

こんにちは。
都立大学駅前で歯科医院をやっております、都立大学HAGIOデンタルクリニック院長・歯科医師の萩尾信輔です。

前回の『歯医者さんで耳にするPMTC、エアフローとは』では、PMTCとエアフローについてお話しました。

今回は、その内容をふまえた上で、着色の原因と、私が考える理想的なクリーニング、メンテナンスとその方法についてお話していきます。

また、最後に歯科医院でクリーニングを行う方に知って頂きた事がありますので、それをお伝えしたいと思います。

 


歯の着色の原因

歯の着色、変色には抗生剤によるテトラサイクリン変色、神経が死んでしまった際に起こる変色、金属による変色、加齢による変化など様々なものがありますが、今回は特に外因性の着色についてお話していきたいと思います。


外因性の着色の原因と予防方法

コーヒーや紅茶、ワイン等による着色

原因
この場合の着色はポリフェノールが原因と考えられます。
ポリフェノールとは、植物の持つ苦味や渋み、色素の成分であり、自然界には8000種類以上が存在するそうです。

予防方法
摂取する回数によっても着色の量は変わってきますが、基本的には摂取後の歯磨き、フロスにて対応しますが、無理に着色を歯ブラシで落とそうとすると歯が削れて、知覚過敏等の症状が出ますので、気になった場合には無理をせず、歯科医院で落としてもらうことをお勧めします。


清掃不良による着色

原因
磨き残しがあると、そこには歯垢がたまってしまい歯が黄ばんでしまいます。
更には、歯の脱灰により、歯自体に凹凸が出来てしまい、そこに着色の原因となるステインが付着してしまいます。

予防方法
日々のご自身でのケアが重要になってきます、基本的には1日3回食後に歯磨きを行い、1日1回のフロスを行って下さい。
歯磨きをしているのに、磨き残しがある場合には、歯ブラシの選択や磨き方に問題がある可能性がありますので、かかりつけの歯医者さんに歯ブラシ指導をして頂くことをお勧めします。


タバコのヤニ

原因
たばこには、ニコチンやタールといった有害な化学物質が含まれており、この中のタールが着色の原因になっています。

予防方法
たばこによる着色は、タールが主な原因となっているため、電子タバコなどは着色のリスクはありません。
ご自身では簡単には着色を落とすことは難しいため、無理をせず歯科医院にて着色を落として頂くことをお勧めします。


口呼吸

原因
噛み合わせの影響や鼻炎等により、口呼吸を行っている場合、口腔内は乾燥し易く、唾液による自浄作用が低下するため、着色しやすくなります。

予防方法
矯正治療や鼻炎等の改善など、根本的な原因を解決することにより、より着色をつきにくくする事が可能です。


外因性の着色の落とし方

先程お話した外因性の着色の場合には、超音波スケーラーなどの通常のクリーニングで落とす事が可能です。

ただし、歯と歯の間や小窩裂溝(しょうかれっこう)と言われる歯の溝の中に、着色が付いている場合には、落とす事が出来ません。

そこで、前回お話したエアフローを使用することで、歯と歯の間や小窩裂溝のステインを取り除く事が出来ます。


私が考える理想的なクリーニング、メンテナンス

着色や歯垢は、通常の超音波スケーラーと呼ばれる機器でも取り除くことは可能ですが、その性質上、必ず歯面が傷ついてしまいます。

ですので、理想的なクリーニングとしては、エアフローでは取り除けない歯石は、超音波スケーラーにて除去し、その他の歯垢や着色は出来る限り歯面を傷つけないようにエアフローにて取り除くことです。

その上で、最後にPMTCを行い歯ブラシや食事、噛み合わせにより傷ついた歯を綺麗に研磨し、リナメルと呼ばれる歯質を修復、コーティングする材料を塗布することです。


理想的なクリーニングの手順


1.エアフローにて磨き残しや歯垢、着色の除去
2.硬い歯石や歯肉の中の歯垢及び歯石の除去
3.PMTCにて歯面の研磨
4.歯面に歯質の修復及びコーティングをするリナメルの塗布

以上の手順で、メンテナンスを行うことでより歯石や歯垢が付着しづらい環境にすることが可能になります。

ただし、歯石が多く付いている方の場合には、歯石の除去に時間が必要となりますので、そのためのクリーニングの計画が必要になります。


PMTCやエアフロー、定期メンテナンスを行っている方に必ず知っておいて頂きたい事

前回の『歯医者さんで耳にするPMTC、エアフローとは』の内容及び今回の記事にて、PMTCやエアフロー、メンテナンスの重要性についてお話してきましたが、実はそれ以上に大切な事があります。

それは、Oral Hygiene Index略してOHIと呼ばれる口腔衛生指導になります。

簡単にお伝えすると、歯科医院でどんなにメンテナス、クリーニングを行っても、日頃の歯磨きが出来ていないと意味がなくなってしまうという事です。

ですので、歯磨きの方法を確認し、歯ブラシやデンタルフロスなどの適切な使い方を十分に指導する必要があります。
引用:https://doi.org/10.1111/jcpe.12341


まとめ

今回は外因性の着色の原因と理想的なクリーニングについてお話しましたので、ご興味のある方は、かかりつけの歯医者さんで一度PMTCについて伺ってみてもいいかもしれません。

中には、クリーニングのみを希望されて、衛生士さんの歯磨き指導を希望されない方もいらっしゃいます。

しかし、もしご自身での日頃のケアが十分でない場合には、たとえお掃除をやってもらっていても、虫歯、歯周病のリスクは高いままだと言えますので、たかが歯磨きに時間をかけたくないとお思いの方も、是非一度歯ブラシ指導を受けてみて頂きたいと思います。

今回のブログが少しでも、虫歯、歯周病予防にお役に立てれば幸いです。

最後まで、お読み頂きありがとうございました。


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