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Dr.HAGIO's 歯科ブログ

口臭でお悩みの方、必見!その口臭なくせます

【監修・執筆】 萩尾 信輔
【監修・執筆】 萩尾 信輔 都立大学HAGIOデンタルクリニック院長・歯科医師

このような悩みはありませんか?

・マスクをしている時に自分の口臭を感じる。
・他人に口臭を指摘されて、人と話すのが嫌になった。
・口臭が気になって歯科を受診し、クリーニングをしてもらったが口臭が改善しない。
・扁桃腺が大きく、喉の膿栓(臭い玉)があり、口臭の原因になっているのではないかと不安に思う。
・家族の口臭が気になる。

このような口臭に関するお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。

今回は口臭の種類や原因とその改善方法についてお話します。


口臭の種類

口臭とは、本人あるいは第三者が不快に感じる呼気の総称であると定義されています。

口臭には、生理的口臭と病的口臭の2つがあります。
また、その他に自臭症、口臭恐怖症と呼ばれる自身の口臭に対して不安を感じる病気もあります。


生理的口臭

病気が原因でない、普段口臭のない健康な人に起こる口臭

・一般的な生理的口臭
起床時口臭、空腹時口臭、緊張時口臭、疲労時口臭、加齢性口臭

・ホルモンの変化に起因する生理的口臭
妊娠児口臭、月経時口臭、思春期口臭、更年期口臭

・嗜好品や飲食物による生理的口臭
ニンニク、アルコール、薬物(活性化ビタミン剤)など


病的口臭

何らかの病気が原因で起こる口臭

・歯科口腔領域の疾患
歯周病、舌苔、適合の悪い詰め物や被せ物、虫歯、ドライマウス(口腔乾燥症)、口腔内の悪性腫瘍(癌)など

・耳鼻咽喉領域の疾患
副鼻腔炎、咽頭・喉頭の炎症など

・全身疾患
糖尿病、肝疾患、腎疾患、胃炎、腫瘍など


口臭の発生メカニズム


生理的口臭の発生メカニズム


・起床時口臭
夜間、唾液の量が減ることにより、口腔細菌が増えて活性化することにより発生 

・空腹時口臭
血中のブドウ糖濃度が低下することにより、脂肪分解過程で発生

・思春期口臭
成長・発育の過程で起こる口腔生理機能の不順や口腔常在菌の変化による発生

・緊張時口臭
唾液中のカテコールアミンの増加、唾液量の低下や唾液溶存酸素量の低下による嫌気性菌の活性化

・加齢口臭
口腔生理機能の低下に伴う唾液の減少と口の中の細菌叢の変化


病的口臭の発生メカニズム


・歯周病
磨き残しによりプラークが歯石となり歯茎に炎症を引き起こし、ここに白血球が集合し細菌と戦います。
このときの菌の死骸が臭いを伴う膿となり口臭の原因となります。

・耳鼻咽頭科疾患
口腔内及び咽頭部、鼻腔内の細菌感染により腐敗ガスが発生します。

・歯科、耳鼻科以外の病因による呼気性口臭
血液中の臭気物質が肺で交換され臭いが発生します。


自臭症、口臭恐怖症について

自臭症、口臭恐怖症とは、他人が口臭を感じないレベル、もしくは生理的口臭の範囲内の臭いのレベルに関わらず、本人が口臭に対して精神的に不安を感じている状態の事を言います。

今回のブログ記事では、分かりやすくするために、口臭について分類し、お話させて頂いております。

しかし、口臭治療においては口臭の種類の分類だけではなく、『口臭症』としての分類も重要になってきます。

口臭症とは

日本口臭学会では、口臭に悩んでいる方を、口臭症として分類しています。

この分類には、他人に口臭が分かるかは関係していません。
この考え方は、本当に口臭で悩まれている方を治療する上でとても重要になります。

そのため、一人で口臭に悩んでいる方、歯科医院で診てもらっているが口臭が改善しない方は口臭症について別記事にてお話しますので、そちらも参考にして下さい。

口臭の診査診断

口臭の診断は難しく、よく目にするご自身で紙コップや袋の中に息を溜めて匂うや、口の中を手で触って匂うなどはあまりお勧めしません。
なぜなら大なり小なり、みなさん口臭がある為です。

また、唾液には多くの細菌がいますので、手で触った後は唾液が乾燥すれば必ず臭います。

口臭に対する十分な知識がない状態で、他人、もしくは自身で判断することにより、より口臭に対する不安が増大してしまう場合もありますので、まずは歯科医院での相談をお勧めします。


病的口臭かどうかの診査、診断

まずは歯科、耳鼻咽喉科もしくは全身的な病気が口臭の原因であるかの診査を行います。
歯科では、レントゲン写真や歯周病検査、舌も含めた口腔内診査を行います。


病的口臭が原因でない場合の診査、診断

口臭の官能検査(実際に口臭を嗅いで臭いがあるかの診断)をします。
口臭ガス検査機器による客観的評価を行うことにより、臭気ガスが実際に出ているかどうかの診断をします。


自臭症、口臭恐怖症の診査、診断

心による問題が大きく関わってきますので、口臭が気になった理由を伺いながら状況を把握します。


口臭の改善方法


病的口臭

病的口臭の9割以上は口の中に原因があるいわれていますので、病的口臭が疑われた場合には、まずそれに対する治療を行います。
歯科領域では、口腔清掃を並行しながら原因を除去し、口腔内の環境を清潔に保ちます。

歯科領域以外での口臭は、耳鼻咽喉科や他科との連携を行います。


膿栓(臭い玉)について

喉に違和感を感じたり、咳や、くしゃみをした時に、喉から白い塊のようなものが出てきたご経験はありませんか?

それは膿栓(臭い玉)と呼ばれ、口臭の直接的な原因ではありませんが、ご質問を受けることもありますので、気になる方は『臭い玉(膿栓)は本当に口臭の原因なのか?』の記事を後日お出ししますので、ご参考下さい。


生理的口臭

普段の生活において、口臭を強める原因になる行動をとっていないかを伺います。
生理的口臭はお口の乾燥に伴い強くなります。

例えば、ドライマウスではないが、コーヒーに含まれるカフェインやタバコなどはお口の乾燥を助長するためその頻度を伺います。
その上で、生理的口臭についての理解を深めて頂きます。


自臭症、口臭恐怖症

病的口臭が原因でない場合に、ご自身の口臭についての訴えがある場合には、精神的な側面も考慮する必要があるため十分なヒアリングが必要です。

例を挙げると、自分では口臭を感じていなかったが、他人に指摘されてから口臭が気になってしまった場合で、病的口臭でなかった場合には、やはり精神的な側面がありますので、健常者であっても1日に数回は会話でわかる程度の口臭がするタイミングがある事をお伝えします。

そのことが分かれば口臭に対する恐怖心が少なくなります。


口臭をなくす方法について

生理的口臭であっても、やはり周りがその方の口臭を感じるタイミングがありますので、官能検査を行った上で、当院では生理的口臭を消すための専用のマウスウォッシュと、口腔内の常在細菌の改善のためのタブレットを処方しております。

市販のガムやタブレットのようなニオイで臭いをマスキング(覆い隠す)したり、殺菌効果を謳ったマウスウォッシュなどとは違い、消臭を目的として使用し、口臭を可能な限り消臭します。


治療に用いるマウスウォッシュやタブレットについて

前述したように、口臭治療においては、心の側面が大きく関与しています。
そのため、たとえ効果のある物だと分かっていても、精神的な問題についての診査をした上で、適切な使い方して頂くために、商品名を記載しておりません。

もちろん、そんなに悩んでいないけど、お口直しに最適であれば使いたいという方は、処方させて頂きますので、ご連絡頂ければと思います。


まとめ

口臭は自身が気になっていても、どうしても周りに相談出来ない方もいらっしゃると思います。
その場合には、是非お近くの歯医者さんに相談してみて下さい。もちろん私でも構いません。

口臭の悩みがなくなって、みなさんが周りの方々とよりコミニケーションを取れる事を願っています。
一人で悩まないで下さい。

口臭治療における私の苦い思い出

私が学生の際には、口臭についてあまり詳しく学ぶ機会はなかったように思います。
もしかしたら私が聞いていなかったのかもしれませんが、、、

そして、歯科医師になった後も特別に学ぶ機会もなく、最低限の知識のみでの対応を行なっていました。
しかし、ある時、口腔衛生状態も良く、口臭を感じない患者様(おそらく生理的口臭症と考えられる)で、口臭を感じないことは伝えましたが、身近な人に指摘され口臭がしているはずだと、その場で泣いてしまわれました。

この時、私は初めて口臭治療の難しさを知りました。
現在でも、心の側面も含めた口臭治療は難しいと感じていますが、少しでも口臭で悩んでいる方のお力になれればと思っています。

最後までお読み頂きありがとうございました。


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