臭い玉(膿栓)は本当に口臭の原因なのか?
今回は、『口臭でお悩みの方、必見!その口臭なくせます』で少しだけ触れた臭い玉(膿栓)についてお話したいと思います。
早速ですが、喉に異物感を感じたり、咳やくしゃみをした時に、臭いの強い、白い塊が出てきたご経験はありませんか?
それの正体が膿栓になります。
実際には、膿栓は口臭の直接的な原因ではないと考えます。
しかし、扁桃自体の感染によって、臭いが出る場合もありますのでお話させて頂ければと思います。
こちらは耳鼻咽喉科の領域になりますが、口臭における膿栓の歯科としての見解をお話させて頂ければと思います。
臭い玉(膿栓)について
膿栓とは上図で示した扁桃といわれる部位にできる、白い塊のようなものです。
膿栓は扁桃の表面にある腺窩と言われる小さな穴に形成され、実際に鏡でみて確認できる場合もあります。
喉に違和感を感じていると、何か喉元から白い塊が出てきて、臭いを嗅いでみると、とても臭かった経験がある方もいるかと思います。
しかし、膿栓自体は病気ではなく、正常な方にも見られます。
膿栓はなぜできるのか
膿栓ができる扁桃には、口や鼻から侵入してきた細菌やウイルスから身体を守るための、免疫器官としての働きがあります。
そのため、細菌やウイルス、免疫細胞などの死骸が溜まり、タンパク質などと固まることで膿栓ができます。
当然、細菌やウイルス、免疫細胞の死骸は膿を構成するものの一部ですので、強い臭いを放ちます。
膿栓は口臭の原因になるのか
膿栓自体はにおいが強く、潰れると特に強い臭いが出ますので、口臭の原因になりそうですが、実際には口臭の大きな原因にはなりづらいです。
膿栓が口臭の原因になりづらい理由
・口腔内は基本的には湿潤状態にあるため
お口の中は通常、唾液によって湿っている状態ですので、膿栓が見えていたとしても大きな原因にはなりづらいと考えられます。
・膿栓は潰れた時に強い匂いが出る
膿栓が強い匂いを発する場合は、膿栓が乾燥、または潰れたりする時ですので、直接の原因にはなりづらいと考えます。
・口臭を感じない人にも、膿栓はできている
実際に口臭を感じない人にも膿栓はできますので、膿栓自体が口臭の大きな原因になっているとは考えづらいと思います。
膿栓ができる扁桃自体が口臭の原因になる場合があります
扁桃腺が大きく、細菌感染した場合には、それによって臭いが出ることもあります。
これは、扁桃の表面に現れる、膿栓とは違う膿が原因です。
この場合には、耳鼻咽喉科を受診して頂きます。
扁桃腺の炎症が治り、膿が出なくなれば口臭も改善します。
膿栓の除去について
自然に取れることもありますが、ご自身で無理矢理取ることはお勧めしません。
どうしても気になる方は耳鼻咽喉科にてご相談される事をお勧めします。
まとめ
口臭が気になっている方の中には、におい玉が原因と考え、扁桃腺を除去するべきかの相談を受けることもあります。
その場合には、扁桃腺を除去することで必ずしも口臭がなくなるわけではないことをお伝えします。
その上で、口臭が気になるようであれば、お口の中の状態を診査、診断し口臭の原因を解明し、それに合わせて対応していきます。
よく臭い玉が口臭の大きな原因で、扁桃腺の除去を行えば口臭がなくなるというニュアンスの広告も見受けられましたので、今回は歯科医師の立場から見た臭い玉、膿栓についてお話させて頂きました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。